山や渓の写真気まぐれ日記


by peter_mrt99
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酷暑の中へ・・・

テレビのニュースでは全国的に猛暑との報道がありますが、東京だけが暑いんじゃないかと勝手に錯覚してしまいます。まぁ、それほど暑いということなんですが、伝わりませんね。
今日は、ぽっかりと暇な一日なんですよ何故か・・・なので散歩に出る事にしました。
外に出るまで、猛暑・・・いや酷暑など考えもしないで・・・

Nikon coolpix7700を持って自宅周辺のスナップを撮りながら歩き始めたのですが快調だったのは15分くらい、上からの直射日光と下のアスファルトからの照り返しでドッと汗が噴き出しました。
しかし家に戻るのもしゃくなので、一回りして自宅近くのセブンイレブンで飲み物を買って帰ろうと決めて歩き続けました。
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善福寺川の手前に売れない空き地が草ボーボーのまま放置されてます。少し手入れをすれば違うんじゃないの?と思ってしまうのは私だけでしょうか?
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その売り地には、雑草のネコシャラシ(正式名は?)の群生が・・・本当に猫がじゃれていれば面白かったのに、世の中そんなに都合良くは行かないよね。
このあたりは高い建物が無く、遮蔽物がないので直射日光にジリジリ焼かれます。
「おいおい、おいらの頭は直射日光にすこぶる敏感なんだよ。いい加減にしてくれ〜」と叫んでも今日の太陽にはおいらへの慈悲など微塵も無い。それでも少しの日陰に入って来た道を振り返って見るが人などあるいていない。この暑さだもの当たり前か?
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ここからは初めての路地に入ってみます。何があるかな?我が家の近くでもまだ歩いたことのない路地が結構あるものです。それは商店はないし病院もない、いわゆる我が家の生活圏外になっているからです。
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路地を少し入ると、小学校がありました。
「あぁ、松の木小学校はここだったんだ」家の前を小学生が登校する姿は見かけますが、小学校の場所は知りませんでした。近くは歩いてみるものですね。
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ん!この木は何だ?あの赤い実は何だろう。食べられるのかな?
おいらの中では植物は食べられるか食べられないかで判断してます。食べられなければ名前は覚えませんが食べられれば覚えます。まして美味しければ絶対に忘れません。
しかし名前が分からないし、食毒かも分からない植物の方が圧倒的に多いので一生勉強なのでしょうね。
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かろうじてタチアオイが残ってました。
松の木住宅近くの空き地でしたが、他の花は皆無でした。この時期は外来種の花々が目立ちますが、在来種の花には一番過酷な季節なのでしょうね。
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団地の壁際にはシュロの木が・・・なんでシュロなんだろう?趣味を疑いますね。だって景色的にアンバランスなんだもん。
おそらく植えたときは小さくて可愛かったんでしょうね。でも、成長するって事を想像出来なかった結果でしょうね。やはり人間には想像力が必要なんですね。
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あれっ、こんな所にファミリーマートなんか有ったっけ?
ちょっと油断すると、駐車場だったり酒屋さんだったりした場所がいつの間にかコンビニ変身してるって事がありますよね。
それとコイン駐車場。3台しか駐まれないスペースしかないとか、家を建て直す期間だけを駐車場にしたりと車社会に反映した商売が増えましたね。ここにもコイン駐車場が・・・
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職人さんの所有と思われるバイクのタイヤがアパートのドア横に置いてりました。仕事に出掛けてるようで、本体は有りませんでしたが、タイヤの上に地下足袋が・・・まさか、片方忘れて現場に行ったんじゃないよね?
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あっ、豆腐屋さん見っけ。
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こんなお店も有ったんだね。和食ってとこが惹かれます、こんど訪ねてみようかな?
なんか、元々お魚屋さんだった感じだね。
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やっとセブンイレブンに到着しました。
さぁ、飲み物を買って家に帰ろうっと。
暑さも限界だしね。
今回は、コンパクトデジカメのNikon COOLPIX7700の画像でしたが、画質の良さに驚かされました。
一眼レフに匹敵する出来上がりでかなり満足しました。
# by peter_mrt99 | 2013-08-16 22:10

用賀周辺散歩

久しぶりの更新です。
普段はfacebookで画像をアップしていた関係で、ブログをおろそかにしてました(反省)
実は以前からちょっと気になっていた場所があって訪ねてみたかったのですが、中々チャンスに恵まれませんでした。ですが、やっとその場所に行くチャンスが訪れたのです。
タイトル通りで申し訳ありませんが、用賀周辺なのです。そこに「いらか道」なる通りがあるというのを聞いていたので、どんなものかとワクワクしながら出掛けてみました。
「いらか」なんか懐かしい言葉ですよね。そうです、童謡の鯉のぼりの歌詞の中にありましたよね。
「いらかの波と雲の波、重なる波のなかぞらを」なんてね。
その「いらか」と同じ「いらか」なのですが、これは、瓦葺きの屋根の事でした。
当時、瓦葺きの屋根が波のように連なっていたのでしょうね。
「いらか道」とはその瓦を煉瓦状にカットして組み合わせた道になってました。
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田園都市線の用賀駅北口から出発です。
初めて降りた駅ですが街並みが落ち着いた雰囲気で、ゆっくり散歩するにはナイスな商店街もありました。
駅前の大きなビルがあるだけで、少し路地を入ると高い建物がないのでホッとします。
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商店街を越えて住宅地を歩くと角にお地蔵さんが祀ってあったり、旧玉川村村長邸跡があったりと普段は気づかないものが目につきます。
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いよいよ、いらか道に入ります。きっちりと組み合わさった瓦の道は、アスファルトやコンクリートの道と違って、足裏に余計な負担がかからないのでとても歩きやすい道です。
いらか道の入り口にはお約束どおり、その道標がしっかりと立っていて「やはり」とちょっと笑ってしまいました。
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その、いらか道には色々なモニュメントが建ち並び、「いらか」と関係があるのか無いのか訳の分からないものがありました。もしかしたら関係がちゃんとあるのか、むりやり関係性を作り上げてあるのか分かりませんが、調べてないのでご容赦下さい。
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いらか道に入ると、頭上は木々に囲まれ両側にも緑があって散歩道としては絶好のロケーションです。
いらか道には、百人一首が刻まれていて、詠みながら歩くのも良いかも知れませんね。
番号がふってあると言うことは一から百まで刻んであるんだろうけど、そんなに写真に撮れないし、ここに掲載出来ませんので、ほんの一つだけを。
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そしてこれ、王様の椅子のようですが一体何なんでしょうね???
勿論、誰が座っても良いベンチなんでしょうが、ここまでやるか?
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まぁ、微笑みながら歩を進めて行くと、ん?赤鬼!魔除けなのか?ここに魔除け?う〜ん、訳が分からん。
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少し先に行くと、道の端でドクダミの群生に出合った。なんでドクダミ?これを乾かして煎じて飲むと風邪をひかなくなると聞いていましたが、ここで採取は出来ません。いくら私でも・・・でもその誘惑に負けそうなくらいの良品でした。
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赤鬼がいると言うことは当然、青鬼も・・・居ました当たり前のように居ました。
「あ〜あ、お約束通りってつまらないよね」
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まぁ、それをここにアップする私も私なんですけどね。
ごめんなさい。
いらか道は短い道です。あっという間に環状八号線に出てしまいました。
面白くもな〜んもない環八ですが、はいどうぞ!
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環八を横断すると、そこは都立砧公園でした。
環八のこのあたりは車で何度も走ったところですが、歩いてここに出たのは初めてでした。
いつも感じることですが、同じところでも車で走るのと歩くのでは全く違って見えるのが不思議です。
次回は、この砧公園を取り上げて見たいと思います。
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# by peter_mrt99 | 2013-06-04 22:42

信越国境の溪・続編

 3日目に突入です。
泊まり場を片付け、忘れ物はないかゴミは落ちてないかを確認してからの出発です。
この日は上のゴウトウを越えてから竿を出す予定です。出発してすぐに左から庄九郎大滝が出合いますが、対岸のルンゼを50mほど登って滝上にトラバースします。このルンゼが曲者で下半分がザラザラのガレ場で上半分が濡れた岩場に倒木や落石が折り重なっていて足の置き場に気を使います。そこから微妙なトラバースで尾根に取り付きます。尾根に出るとシャクナゲの群生地帯を急降下で滝上に降り立ちますが、気を抜くところがないので精神的に疲れます。
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この庄九郎大滝を越えると、上のゴウトウが待ち受けています。ゴウトウとはゴーロ帯の事で、家よりも大きな岩がところ狭しと連なっています。また、見上げるほどの急登でここを越えるのに1時間を費やします。高度計で確認すると約100m登ってますが、1kmくらい登った感覚になります。
その大岩の上に従兄弟同士が呆然と立っていたので、一応記念撮影をしておきました。
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上のゴウトウを越えると溪はしばらく穏やかになり、イワナたちと戯れる時間帯です。
代わる代わる竿を出しながらの遡行ですが、初心者の辻井君はザックを背負ったままの釣りは初体験とあって疲れ気味です。辻井君はエサ釣りで我々はテンカラ釣り、エサ釣りに絶好な場所で彼を呼ぶのですが「どうぞ」と手で示して追いついて来ません。
普段、地元の本流域で釣りをしているのですが、いきなり源流の3泊4日では疲れて当たり前です。彼を労りながら、そして少し厳しく指導して行きますが、それは彼が源流に向いているように思えたからです。今後の経験の積み方でりっぱな源流師になって行くと思います。
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それぞれが、それぞれの釣法で良型のイワナを釣り上げて楽しそうです。我々の釣りはご飯のおかず用ですので、余計にはキープしません。規定の数が釣れたらその後は全てリリースします。それが次回、イワナが我々と遊んでくれるからです。
最終の泊まり場は1800mを越えたあたりになります。8月だというのに朝寒くてシュラフから出られないほどですからね。しかし、昼くらいまでにデポした車に帰り着かなくてはなりませんので、それほどのんびりはしていられません。朝食を食べ、釣り竿を仕舞い、遡行のみで5時間の行程です。
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小滝を登り、大岩を迂回し、遡行に専念しますが最終日は流石に疲労がたまっていて足が重いです。
ただ、溪が春の小川状態になるので少しは楽なのですが、たまに出てくる滝が恨めしい限りです。
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信越国境の溪、魚止めの滝はもうすぐです。溪が鬱蒼と暗くなって左にカーブするとドーンと魚止めの滝が出現します。4m位の滝で高くはありませんが、美しい滝です。
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この滝を登ると溪はさらに狭まり、藪に覆われてきます。水流が無くなる前に湧き水を確保しておきます。
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この先は水の流れも無くなり、ルンゼと化した根曲がり竹の洞窟を1時間かけて藪こぎすると、ポッカリと登山道に飛び出します。疲労困憊の我々は登山道の傍らでやっとひと息つく事ができます。
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息が整ったところで記念撮影。左から辻井、私、そして辻村。
登山道を登ると、高天原のスキー場のてっぺんに出ます。それを下ると植物園。若いカップルや親子連れで賑わってますが、風呂も入れず3泊4日のドロドロの我々が通った後はどんな臭いがするのでしょうか?ドロドロの我々には分かるはずもありません。
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植物園の下には観光用のリフト動いてますので、疲れた身体にはうってつけです。ありがたくリフトに乗せて頂き、目の前の車止めに向かいます。
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車に飛び乗り、出発点の切明に向かいます。約1時間掛かりますが、私と辻村の思いは温泉、よしみさんはビール。下山後の思いはそれぞれ違いますが、遡行中の思いは一緒だったメンバーたち。また来年も一緒に遊びましょう。
# by peter_mrt99 | 2012-11-23 18:47

信越国境の溪

 毎年の行事となっているこの信越国境の溪への旅はすでに10年を越えましたが、未だ飽きる事はありません。旅のメンバーが毎回少し変わる事もあるのですが、溪そのものが変化をしているのが飽きない大きな要因だと思われます。積雪量の違いや豪雨が続く日の多さで溪の姿は明らかに変わってくるのです。昨年あった大岩が無くなってたり、無かった岩や流木が折り重なっていたり、泳がなくては突破できない淵が腰程度の徒渉で渡れたり、またその逆だったりとその変化を楽しむ事が出来るからだと思います。

 8月1日、いつもの年より少し早めの日程となりましたが、お盆近くになると溪も渋滞が発生する事が多々あるので何ごとも早め早めの精神でと、ここで小学校の先生に教わった知識を思い出し、それをフルに発揮して溪に向かう事にしました。
 今回のメンバーは毎年一緒の辻村 努、吉田よしみ、私、そして初めて参加する辻井たかひろ、この辻井君は辻村の従兄弟で、名古屋からの参加だ。名古屋からと言うと遠そうに感じますが、待ち合わせ場所までは東京からそう変わらないのです。2泊3日の本格的な源流行は今回が初めての経験なので彼を中心に行程を進めて行く事にしました。
 切明の車止めを出発し、急登を30分ほど登ると昔トロッコが走っていたと言われる水平道にでますが、その軌道跡の面影は一切ありません。また群馬県側から長野県側への物資の流通道だったとも言われています。多分、近年のダム建設でその面影などは全て取り払われてしまったのかも知れませんね。
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水平道は快適です。アップダウンもなくただ歩を進めるだけですみますからね。しかし最近の局地豪雨の影響か、水平道に掛かる橋が見事に流されている箇所が2カ所ほどありました。こういった林道は年々悪くなる一方ですが、周辺住民の生活に密着していない道や施設には予算が計上されないのでしょうか、全く手を掛けることがなくなったのは淋しい限りです。
 この水平道を3時間半ほど歩くとダムに到着します。このダムのバックウォータからが信越国境の溪の入溪地点となります。ここからは水に濡れるので溪の衣装に着替えて朝ご飯を食べて出発します。
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ダムから眺めた上流は水量が少なく貧相な眺めでした。いつもなら左の土の部分は見えない事が多かったのですがね。これなら少し遡行も楽かも知れません。
 朝食を終えて遡行に専念します。確かに減水ぎみで昨年よりは水の抵抗が少なく川の中でも歩きは楽です。両岸が切り立った50mくらいのゴルジュを越えると大木が寄りかかった滝が右から出合います。この滝の姿は10年以上前から変わりませんが長年変わらない景色もホッとさせてくれます。
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ひとつ目の滝を越え、晩ご飯のおかずとなるイワナを釣りながら初日の泊まり場に向かいますが、そこで先行者の足跡に気づきました。まだ新しいのですが、今日のものなのか昨日のものなのか判断がつかない足跡でした。初日の泊まり場は右から支流の入る広い砂場と決めていましたが、もしかしたらこの足跡をつけた先行者が先に陣取っている可能性があるので、30分ほど手前にある段丘を整地して初日の泊まり場にしました。
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草を刈り、石をどかし、笹の根を切って何とか4人が横になれるスペースを作って屋根を張ったとたんに雨が降り出しました。雨は徐々に強くなり、しまいにはバケツをひっくり返したような雨が1時間以上も降り続きました。減水で穏やかだった川はたちまち濁流と化し、川幅いっぱいまで増えた泥水は私たちの泊まり場まで飲み込む勢いで増え続けました。
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2mくらいの高さがある泊まり場は、増水した濁流が押し寄せて来る事はありませんでしたが、降り続く雨の中、張ったタープの屋根の下でジ〜ッとしているしかありませんでした。
その雨も少しづつ弱くなりついには止みましたが、コーヒー牛乳色の流れはまだ続いています。
ですが、もう大丈夫とメンバーたちは泊まり場用の乾いた服に着替え、やっとひと心地つきました。
前回の黒部川も濁流で追い返されたし、先行きがちょっと心配になりましたが「ここまで来たらサクセ〜ス」と行くしかありません。
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暫くすると水の流れも落ち着き、徐々に澄んできました。さぁ、食事の支度です。初日の行程は車止めからのアプローチが長いし、ザックも重いので早め早めに泊まり場を設ける事にします。ここでも小学校で養った知識が役に立ちます。
晩ご飯を食べて少しすると突然睡魔が襲ってきました。寝不足に加え、遡行の疲れがそうさせますが、よしみさんとたかひろはこれから宴会です。酒の飲めない辻村と私は甘い物でまったりと夢心地になり、そのまま気を失って行きました。
翌朝泊まり場を片付け、来たときよりも綺麗にして2日目の出発です。水は昨日の出発の時と同じ水量に戻ってました。本来の泊まり場に到着すると、一人の若者がテントを張っていましたので少し話をしたところ一昨日に到着したとの事、どうりで新しい足跡があった筈です。
若者と別れて暫く行くと2日目最初の滝が現れました。辻村がトップで登り、ザイルをセットしてくれました。後続はそれを掴んでゴボウで登りますがお約束通り、たかひろが滑り落ちて滝壺にドボンしてくれました。まぁ、最初はそんなもんだよ、たかひろ君!
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その後、ナメ状の滝が3本ほど続きますが難なくクリアー、イワナ釣りをしながら快調に遡行して行きました。
昼食はイワナラーメンとおにぎり、おにぎりは朝に炊いたご飯を残しておいたもの。イワナ一匹丸ごとラーメンは絶品です。
「あぁ、今我々は世界で一番美味しいお昼ご飯を食べてるな〜」と実感します。
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2日目は行程も短く、ゆっくりイワナ釣りに興じる日です。それぞれの釣法で釣り進みますが、エサ釣りのたかひろだけペースが違って来るのは仕方ない事です。辻村は浮く毛バリ釣り。私とよしみさんは沈む毛バリ釣り。どちらも竿とラインと毛バリがあれば釣りになりますが、エサ釣りのたかひろは、竿と道糸、ハリス、錘、ハリ、目印そしてエサが必要になります。山奥へ釣りに入ったら道具のアイテムは少ない方が良いに決まってます。全て自分で背負って行きますからね。
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今夜の泊まり場が近づいて来ました。傍らのクガイソウにモンシロチョウが群れていましたが、一匹だけ瞬撮。これ、絶滅が叫ばれているモンシロチョウだよね。縁に黒い線がないし・・・蝶には詳しくないけど、モンシロチョウだったら良いな。
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泊まり場に到着してお着替え、これは私の足下を支えてくれる、秀山荘のウエーディングシューズ。
今回は型落ちを履いてきたが、年々丈夫になりフリクションも良くなってる。
以前はワンシーズンで履きつぶしていたが、最近はツーシーズンは使えるようになったのが嬉しい。
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今日の晩ご飯はイワナの混ぜご飯。焚き火で焼き枯らして臭みを取り、米と一緒に炊き込むのだ。
炊きあがったら頭と骨を丁寧に取り除いて混ぜる。少々手間が掛かるがその努力は絶対に報われる事請け合いです。
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さぁ、明日のために早く寝るぞ〜って単に疲れているだけですけどね。

明日に続く!
# by peter_mrt99 | 2012-10-19 16:42
7月の下旬、北アルプスは黒部川奥ノ廊下遡行に出発しました
昨年も同じ行程だったんですが2日目から雨で黒部川の遡行を断念、薬師沢小屋に連泊し翌日薬師沢を釣り上がって太郞平に詰め上げ、そのまま折立の車止めに戻り帰路につきました。
本来ならば、2日目は黒部川を遡行し五郎沢を登って黒部五郎小屋に宿泊し、3日目は五郎岳を越えて太郞平小屋に戻り、そこに宿泊して帰る3泊4日の旅のはずでした。

今年はそのリベンジと言う事で、梅雨明けと同時に折立の車止めを目指しました。
昨年は関越道から上信越道を経て、北陸道の黒部インターで下車して折立に向かいましたが、今年は中央道の岡谷から松本インターで下車して折立に向かいました。こちらの方が高速代がめちゃくちゃ安い事が分かりました。
メンバーはいつものパートナー吉田よしみ、昨年も一緒にここを訪れた佐々木たかすみ、彼はフォトグラファーで私との釣り旅には必ず写真をカバーしてくれます。久しぶりに同行する高橋賢司、彼は陸上自衛隊現役バリバリの事務職で、背負って歩ける頼もしい男だ。
私と言えば昨年から13キロの減量に成功し、長い登りにもへこたれずに歩けると自信を持って望んだのですが体重と共に根気も減らしてしまったらしく、へこたれぶりは相変わらずでした。

鬱蒼として急登の太郞坂を抜けて最初に目の前に現れたのは、稜線上にレンズ雲らしき雲。天候の先行きに不安が湧きましたが、今は頭上の太陽に焼かれながらの歩きにそんな不安は大量の汗と一緒に流れ去って行きました。
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暑い、とにかく暑い、太郞坂を抜けると遮蔽物は殆どなく直射日光に耐えながらノロノロ、ヨロヨロと歩を進めるしかなく拷問、火あぶりの刑なのか?そんな悪い事はしてな・・・い筈だけど、自信がないので思い出すのは止めておこう。
やっとの事でたどり着いた三角点ここで約半分、と言っても太郞平までの話、私達はそこから更に薬師沢小屋までの行程が残っているので正確な意味での半分ではないのですが、急登の半分と言ったところです。
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三角点で記念撮影。前列が吉田よしみ、その後ろが高橋賢司、右側が佐々木たかすみ。3人はまだ元気ですが、バテぎみなのでせめて記念撮影で休憩時間を先延ばししている私です。

さあ、後はひたすら登るだけ、ジリジリと焼かれながら登るだけ。休憩してると単独の女性にス〜っと抜かれて行きますが悔しくない、競争じゃないから悔しくないって!
立ち上がって先を見ると抜いていった女性の姿は見えない。そんなスピードではなかったのにね。
ゆっくりでも歩を進めれば距離は稼げる。分かってます、よ〜く分かってます。頭では分かってますが、肺が、心臓が理解してくれないのです。
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この遮蔽物のない登山道、灼熱地獄の登山道。来年、一緒に味わってくれる人、いないかなぁ?
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太郞平小屋に到着です。6年ほど前、上の廊下遡行を終えてここまで登り詰めて来たら、小屋に生ビールの旗がユラユラと風にはためいていました。よしみさんは脱兎のごとく駆け寄り、立て続けに2杯飲み干してたっけ、懐かしい想い出です。あの旗は今は有りませんね。ここに来る登山客は生ビールがあるのを殆どの人が認識したって事かな?
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太郞平から薬師岳方面を望む。テントサイトはこちら方向、まだ行ったことがないので機会を作って薬師岳にも登ってみようかな?
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太郞平から薬師沢小屋に向かい木道を下ると沢に雪渓が残ってました。今年は雪解けが遅いとは聞いていましたが、これ程とは・・・昨年も同じ時期でしたが雪渓は一切有りませんでしたからね。
私にとっては恵みの雪、手に取ったり、顔に塗りたくったり、束の間の冷却でした。
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沢を登り返して振り向くと、太郞平小屋が遙か彼方に・・・3日後、また戻って来るからよ。とつぶやきながら薬師沢小屋を目指しました。
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傍らにキヌガサソウが誇らしげに咲いてました。群生していましたが、一輪だけ撮っておきました。
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そしてハクサンイチゲ、背景の黄色い花がミヤマキンバイ、そろそろ高山植物や花々たちが所狭しと咲き乱れる季節になります。

薬師沢小屋に到着してから、高橋、佐々木の両名は黒部本流へイワナ釣りへ。私達は荷を降ろしてゆったり。彼らの収穫を待ちわびながらウトウトしちゃいました。
夕方に帰って来た釣り組は今晩のおかず分のイワナを持ち帰ってくれました。
私達は山小屋泊まりでも食事は自分たちで造ります。なので、イワナは貴重なご飯のおかずです。食べる分だけはきっちり確保します。

夜半から雨が降り出しました。昨年と同じ目に遭わないように願うばかりです。明日の朝には止んでいる事を願って就寝。夢の中で大粒の雨が小屋の屋根をドラムのように叩く音を聴きました。
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翌朝も雨です。それも昨年と違ってかなり降ってます。昨年は小屋番の青年に自粛を求められなかったら出発できる程度の雨でしたが、今年は出掛けたくありません。小屋の窓から雨の景色を眺めるだけです。それでも、登山客の皆さんは雨具を着て出発して行きますが、川を行く私達は様子を見るしかありません。
それなのに、高橋、佐々木の釣りバカ隊は釣り竿を持って黒部川に突入して行きました。その時は多少の増水はしてるものの川はまだ穏やかでした。
送り出した私もそれほど心配はしていなかったのですが、2時間後は土砂降りが続き川は一気に増水し、泥水の濁流となりました。これでは帰ってこれないかな?と思いながら待っていると、2時間くらい後にやっと帰って来ました。4〜5回くらい高巻きを強いられたそうです。しかも、しっかりおかずを携えて・・・偉い!
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雨が小降りになり、小屋のベランダに出て黒部本流の状態を撮影、これでもかなり減水した流れです。昨年のリベンジどころか、今年のリベンジをしに来なくてはならなくなりました。いつになるかな?
翌朝、川はまだ濁り気味ですが、撤退する事に決めました。だって、釣りが出来ないんだもん。
昨年と同じ、薬師沢小屋に2泊して撤退です。それでも昨年は薬師沢でたっぷり釣りが出来たのですが、今年の薬師沢は濁りが酷くて釣りはできません。
切ない気持ちで太郞平に向かってトボトボ歩いていくと上流部の水の濁りが少し取れてきました。これを見逃すほど人間が出来ていない私達は、溪衣装に着替えて登山道から50メートルほど下り、薬師沢に立ちました。
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薬師沢で最初に目に付いたのはミヤマキンバイ。黄色い花は目立ちますね。
薬師沢に立ったのは良いのですが、川幅一杯に増水した渓相では釣り意欲も薄れ、第2徒渉点から登山道に上がり、まだ釣り登ると言う高橋、佐々木釣りバカ隊と別れ、太郞平で待ち合わせをしてよしみさんと歩き出しました。雨は降り続いてます。雨具での歩きはうっとうしいですが、しかたありません。
太郞平で合流し、イワナを人数分ゲットしてきた釣りバカ隊に感謝して、イワナ入りラーメンを造って食べました。雨と霧で寒い中でのラーメンは絶品でした。しかもイワナ一人丸1匹ですから・・・
雨が上がったのは車止めの折立、着替えをしていると工事関係者のおじさんが「有峰林道は通行止めだよ」と教えてくれました。通常、降雨量80ミリで通行止めになるらしいのですが、昨夜からの雨量は120ミリだったのだとか。「おいおい、ここから帰れないのか?踏んだり蹴ったりだよね」
着替えを済ませ、約1時間後には通行止め解除になり、無事に帰路につきました。
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途中、奥飛騨温泉郷の平湯に寄り「ひらゆの森」で温泉&お食事、ここはお勧めだよ。
今回の日程中、かなり欲求不満が続きましたが、ここで満足するとは思いませんでした。
さぁ、後は帰るだけ、運転を引き受けてくれた高橋君、流石に陸上自衛隊現役バリバリの事務職、疲れも見せずに走りきってくれました。ありがとう。
# by peter_mrt99 | 2012-08-01 17:14