山や渓の写真気まぐれ日記


by peter_mrt99
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濁流の洗礼をうけた黒部川

7月の下旬、北アルプスは黒部川奥ノ廊下遡行に出発しました
昨年も同じ行程だったんですが2日目から雨で黒部川の遡行を断念、薬師沢小屋に連泊し翌日薬師沢を釣り上がって太郞平に詰め上げ、そのまま折立の車止めに戻り帰路につきました。
本来ならば、2日目は黒部川を遡行し五郎沢を登って黒部五郎小屋に宿泊し、3日目は五郎岳を越えて太郞平小屋に戻り、そこに宿泊して帰る3泊4日の旅のはずでした。

今年はそのリベンジと言う事で、梅雨明けと同時に折立の車止めを目指しました。
昨年は関越道から上信越道を経て、北陸道の黒部インターで下車して折立に向かいましたが、今年は中央道の岡谷から松本インターで下車して折立に向かいました。こちらの方が高速代がめちゃくちゃ安い事が分かりました。
メンバーはいつものパートナー吉田よしみ、昨年も一緒にここを訪れた佐々木たかすみ、彼はフォトグラファーで私との釣り旅には必ず写真をカバーしてくれます。久しぶりに同行する高橋賢司、彼は陸上自衛隊現役バリバリの事務職で、背負って歩ける頼もしい男だ。
私と言えば昨年から13キロの減量に成功し、長い登りにもへこたれずに歩けると自信を持って望んだのですが体重と共に根気も減らしてしまったらしく、へこたれぶりは相変わらずでした。

鬱蒼として急登の太郞坂を抜けて最初に目の前に現れたのは、稜線上にレンズ雲らしき雲。天候の先行きに不安が湧きましたが、今は頭上の太陽に焼かれながらの歩きにそんな不安は大量の汗と一緒に流れ去って行きました。
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暑い、とにかく暑い、太郞坂を抜けると遮蔽物は殆どなく直射日光に耐えながらノロノロ、ヨロヨロと歩を進めるしかなく拷問、火あぶりの刑なのか?そんな悪い事はしてな・・・い筈だけど、自信がないので思い出すのは止めておこう。
やっとの事でたどり着いた三角点ここで約半分、と言っても太郞平までの話、私達はそこから更に薬師沢小屋までの行程が残っているので正確な意味での半分ではないのですが、急登の半分と言ったところです。
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三角点で記念撮影。前列が吉田よしみ、その後ろが高橋賢司、右側が佐々木たかすみ。3人はまだ元気ですが、バテぎみなのでせめて記念撮影で休憩時間を先延ばししている私です。

さあ、後はひたすら登るだけ、ジリジリと焼かれながら登るだけ。休憩してると単独の女性にス〜っと抜かれて行きますが悔しくない、競争じゃないから悔しくないって!
立ち上がって先を見ると抜いていった女性の姿は見えない。そんなスピードではなかったのにね。
ゆっくりでも歩を進めれば距離は稼げる。分かってます、よ〜く分かってます。頭では分かってますが、肺が、心臓が理解してくれないのです。
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この遮蔽物のない登山道、灼熱地獄の登山道。来年、一緒に味わってくれる人、いないかなぁ?
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太郞平小屋に到着です。6年ほど前、上の廊下遡行を終えてここまで登り詰めて来たら、小屋に生ビールの旗がユラユラと風にはためいていました。よしみさんは脱兎のごとく駆け寄り、立て続けに2杯飲み干してたっけ、懐かしい想い出です。あの旗は今は有りませんね。ここに来る登山客は生ビールがあるのを殆どの人が認識したって事かな?
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太郞平から薬師岳方面を望む。テントサイトはこちら方向、まだ行ったことがないので機会を作って薬師岳にも登ってみようかな?
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太郞平から薬師沢小屋に向かい木道を下ると沢に雪渓が残ってました。今年は雪解けが遅いとは聞いていましたが、これ程とは・・・昨年も同じ時期でしたが雪渓は一切有りませんでしたからね。
私にとっては恵みの雪、手に取ったり、顔に塗りたくったり、束の間の冷却でした。
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沢を登り返して振り向くと、太郞平小屋が遙か彼方に・・・3日後、また戻って来るからよ。とつぶやきながら薬師沢小屋を目指しました。
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傍らにキヌガサソウが誇らしげに咲いてました。群生していましたが、一輪だけ撮っておきました。
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そしてハクサンイチゲ、背景の黄色い花がミヤマキンバイ、そろそろ高山植物や花々たちが所狭しと咲き乱れる季節になります。

薬師沢小屋に到着してから、高橋、佐々木の両名は黒部本流へイワナ釣りへ。私達は荷を降ろしてゆったり。彼らの収穫を待ちわびながらウトウトしちゃいました。
夕方に帰って来た釣り組は今晩のおかず分のイワナを持ち帰ってくれました。
私達は山小屋泊まりでも食事は自分たちで造ります。なので、イワナは貴重なご飯のおかずです。食べる分だけはきっちり確保します。

夜半から雨が降り出しました。昨年と同じ目に遭わないように願うばかりです。明日の朝には止んでいる事を願って就寝。夢の中で大粒の雨が小屋の屋根をドラムのように叩く音を聴きました。
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翌朝も雨です。それも昨年と違ってかなり降ってます。昨年は小屋番の青年に自粛を求められなかったら出発できる程度の雨でしたが、今年は出掛けたくありません。小屋の窓から雨の景色を眺めるだけです。それでも、登山客の皆さんは雨具を着て出発して行きますが、川を行く私達は様子を見るしかありません。
それなのに、高橋、佐々木の釣りバカ隊は釣り竿を持って黒部川に突入して行きました。その時は多少の増水はしてるものの川はまだ穏やかでした。
送り出した私もそれほど心配はしていなかったのですが、2時間後は土砂降りが続き川は一気に増水し、泥水の濁流となりました。これでは帰ってこれないかな?と思いながら待っていると、2時間くらい後にやっと帰って来ました。4〜5回くらい高巻きを強いられたそうです。しかも、しっかりおかずを携えて・・・偉い!
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雨が小降りになり、小屋のベランダに出て黒部本流の状態を撮影、これでもかなり減水した流れです。昨年のリベンジどころか、今年のリベンジをしに来なくてはならなくなりました。いつになるかな?
翌朝、川はまだ濁り気味ですが、撤退する事に決めました。だって、釣りが出来ないんだもん。
昨年と同じ、薬師沢小屋に2泊して撤退です。それでも昨年は薬師沢でたっぷり釣りが出来たのですが、今年の薬師沢は濁りが酷くて釣りはできません。
切ない気持ちで太郞平に向かってトボトボ歩いていくと上流部の水の濁りが少し取れてきました。これを見逃すほど人間が出来ていない私達は、溪衣装に着替えて登山道から50メートルほど下り、薬師沢に立ちました。
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薬師沢で最初に目に付いたのはミヤマキンバイ。黄色い花は目立ちますね。
薬師沢に立ったのは良いのですが、川幅一杯に増水した渓相では釣り意欲も薄れ、第2徒渉点から登山道に上がり、まだ釣り登ると言う高橋、佐々木釣りバカ隊と別れ、太郞平で待ち合わせをしてよしみさんと歩き出しました。雨は降り続いてます。雨具での歩きはうっとうしいですが、しかたありません。
太郞平で合流し、イワナを人数分ゲットしてきた釣りバカ隊に感謝して、イワナ入りラーメンを造って食べました。雨と霧で寒い中でのラーメンは絶品でした。しかもイワナ一人丸1匹ですから・・・
雨が上がったのは車止めの折立、着替えをしていると工事関係者のおじさんが「有峰林道は通行止めだよ」と教えてくれました。通常、降雨量80ミリで通行止めになるらしいのですが、昨夜からの雨量は120ミリだったのだとか。「おいおい、ここから帰れないのか?踏んだり蹴ったりだよね」
着替えを済ませ、約1時間後には通行止め解除になり、無事に帰路につきました。
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途中、奥飛騨温泉郷の平湯に寄り「ひらゆの森」で温泉&お食事、ここはお勧めだよ。
今回の日程中、かなり欲求不満が続きましたが、ここで満足するとは思いませんでした。
さぁ、後は帰るだけ、運転を引き受けてくれた高橋君、流石に陸上自衛隊現役バリバリの事務職、疲れも見せずに走りきってくれました。ありがとう。
by peter_mrt99 | 2012-08-01 17:14