山や渓の写真気まぐれ日記


by peter_mrt99
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信越国境の溪

 毎年の行事となっているこの信越国境の溪への旅はすでに10年を越えましたが、未だ飽きる事はありません。旅のメンバーが毎回少し変わる事もあるのですが、溪そのものが変化をしているのが飽きない大きな要因だと思われます。積雪量の違いや豪雨が続く日の多さで溪の姿は明らかに変わってくるのです。昨年あった大岩が無くなってたり、無かった岩や流木が折り重なっていたり、泳がなくては突破できない淵が腰程度の徒渉で渡れたり、またその逆だったりとその変化を楽しむ事が出来るからだと思います。

 8月1日、いつもの年より少し早めの日程となりましたが、お盆近くになると溪も渋滞が発生する事が多々あるので何ごとも早め早めの精神でと、ここで小学校の先生に教わった知識を思い出し、それをフルに発揮して溪に向かう事にしました。
 今回のメンバーは毎年一緒の辻村 努、吉田よしみ、私、そして初めて参加する辻井たかひろ、この辻井君は辻村の従兄弟で、名古屋からの参加だ。名古屋からと言うと遠そうに感じますが、待ち合わせ場所までは東京からそう変わらないのです。2泊3日の本格的な源流行は今回が初めての経験なので彼を中心に行程を進めて行く事にしました。
 切明の車止めを出発し、急登を30分ほど登ると昔トロッコが走っていたと言われる水平道にでますが、その軌道跡の面影は一切ありません。また群馬県側から長野県側への物資の流通道だったとも言われています。多分、近年のダム建設でその面影などは全て取り払われてしまったのかも知れませんね。
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水平道は快適です。アップダウンもなくただ歩を進めるだけですみますからね。しかし最近の局地豪雨の影響か、水平道に掛かる橋が見事に流されている箇所が2カ所ほどありました。こういった林道は年々悪くなる一方ですが、周辺住民の生活に密着していない道や施設には予算が計上されないのでしょうか、全く手を掛けることがなくなったのは淋しい限りです。
 この水平道を3時間半ほど歩くとダムに到着します。このダムのバックウォータからが信越国境の溪の入溪地点となります。ここからは水に濡れるので溪の衣装に着替えて朝ご飯を食べて出発します。
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ダムから眺めた上流は水量が少なく貧相な眺めでした。いつもなら左の土の部分は見えない事が多かったのですがね。これなら少し遡行も楽かも知れません。
 朝食を終えて遡行に専念します。確かに減水ぎみで昨年よりは水の抵抗が少なく川の中でも歩きは楽です。両岸が切り立った50mくらいのゴルジュを越えると大木が寄りかかった滝が右から出合います。この滝の姿は10年以上前から変わりませんが長年変わらない景色もホッとさせてくれます。
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ひとつ目の滝を越え、晩ご飯のおかずとなるイワナを釣りながら初日の泊まり場に向かいますが、そこで先行者の足跡に気づきました。まだ新しいのですが、今日のものなのか昨日のものなのか判断がつかない足跡でした。初日の泊まり場は右から支流の入る広い砂場と決めていましたが、もしかしたらこの足跡をつけた先行者が先に陣取っている可能性があるので、30分ほど手前にある段丘を整地して初日の泊まり場にしました。
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草を刈り、石をどかし、笹の根を切って何とか4人が横になれるスペースを作って屋根を張ったとたんに雨が降り出しました。雨は徐々に強くなり、しまいにはバケツをひっくり返したような雨が1時間以上も降り続きました。減水で穏やかだった川はたちまち濁流と化し、川幅いっぱいまで増えた泥水は私たちの泊まり場まで飲み込む勢いで増え続けました。
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2mくらいの高さがある泊まり場は、増水した濁流が押し寄せて来る事はありませんでしたが、降り続く雨の中、張ったタープの屋根の下でジ〜ッとしているしかありませんでした。
その雨も少しづつ弱くなりついには止みましたが、コーヒー牛乳色の流れはまだ続いています。
ですが、もう大丈夫とメンバーたちは泊まり場用の乾いた服に着替え、やっとひと心地つきました。
前回の黒部川も濁流で追い返されたし、先行きがちょっと心配になりましたが「ここまで来たらサクセ〜ス」と行くしかありません。
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暫くすると水の流れも落ち着き、徐々に澄んできました。さぁ、食事の支度です。初日の行程は車止めからのアプローチが長いし、ザックも重いので早め早めに泊まり場を設ける事にします。ここでも小学校で養った知識が役に立ちます。
晩ご飯を食べて少しすると突然睡魔が襲ってきました。寝不足に加え、遡行の疲れがそうさせますが、よしみさんとたかひろはこれから宴会です。酒の飲めない辻村と私は甘い物でまったりと夢心地になり、そのまま気を失って行きました。
翌朝泊まり場を片付け、来たときよりも綺麗にして2日目の出発です。水は昨日の出発の時と同じ水量に戻ってました。本来の泊まり場に到着すると、一人の若者がテントを張っていましたので少し話をしたところ一昨日に到着したとの事、どうりで新しい足跡があった筈です。
若者と別れて暫く行くと2日目最初の滝が現れました。辻村がトップで登り、ザイルをセットしてくれました。後続はそれを掴んでゴボウで登りますがお約束通り、たかひろが滑り落ちて滝壺にドボンしてくれました。まぁ、最初はそんなもんだよ、たかひろ君!
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その後、ナメ状の滝が3本ほど続きますが難なくクリアー、イワナ釣りをしながら快調に遡行して行きました。
昼食はイワナラーメンとおにぎり、おにぎりは朝に炊いたご飯を残しておいたもの。イワナ一匹丸ごとラーメンは絶品です。
「あぁ、今我々は世界で一番美味しいお昼ご飯を食べてるな〜」と実感します。
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2日目は行程も短く、ゆっくりイワナ釣りに興じる日です。それぞれの釣法で釣り進みますが、エサ釣りのたかひろだけペースが違って来るのは仕方ない事です。辻村は浮く毛バリ釣り。私とよしみさんは沈む毛バリ釣り。どちらも竿とラインと毛バリがあれば釣りになりますが、エサ釣りのたかひろは、竿と道糸、ハリス、錘、ハリ、目印そしてエサが必要になります。山奥へ釣りに入ったら道具のアイテムは少ない方が良いに決まってます。全て自分で背負って行きますからね。
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今夜の泊まり場が近づいて来ました。傍らのクガイソウにモンシロチョウが群れていましたが、一匹だけ瞬撮。これ、絶滅が叫ばれているモンシロチョウだよね。縁に黒い線がないし・・・蝶には詳しくないけど、モンシロチョウだったら良いな。
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泊まり場に到着してお着替え、これは私の足下を支えてくれる、秀山荘のウエーディングシューズ。
今回は型落ちを履いてきたが、年々丈夫になりフリクションも良くなってる。
以前はワンシーズンで履きつぶしていたが、最近はツーシーズンは使えるようになったのが嬉しい。
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今日の晩ご飯はイワナの混ぜご飯。焚き火で焼き枯らして臭みを取り、米と一緒に炊き込むのだ。
炊きあがったら頭と骨を丁寧に取り除いて混ぜる。少々手間が掛かるがその努力は絶対に報われる事請け合いです。
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さぁ、明日のために早く寝るぞ〜って単に疲れているだけですけどね。

明日に続く!
by peter_mrt99 | 2012-10-19 16:42